Hobby the world？

参話

たくっ

何で、俺が八咫の使いっぱしりをしないといけないんだ

世の女の子たちが、俺のことを待っているのに…

「すいません」

ん？

おお!?カワイコちゃん!

「如何したんだい？」

「八咫を探してるんですけど、知りませんか？」

八咫の言ってたのってこの子のこと!?

「知らないですか…

他を当たりますね」

「待った待った!

八咫なら、知ってる

俺は、八咫の代わりだ」

「君が八咫の代理?

CC社の人？」

「いや…違うけど…」

「あっそ。まあ、いいや

で、八咫は、僕に何の用？」

この子、もしかして男の子？

しかも、何にも知らされてないっぽい？

「あ、そういえば、君の名前何？」

カーソル合わせれば名前なんてわかるはずなのに一々聞いてくるとはね

「俺かい？俺は、クーンだ」

「…クーン…わかった

僕は、シュトラール」

シュトラール…長い上に発音しにくい名前だな

「呼びにくかったら、ラルでいい昔そうやって、友人にも、呼ばれてたから」

「昔？今は、違うのかい？」



「彼女は、PKになってしまった

彼女は、この世界の秩序を壊す

PKが現バージョンで一般化されているのはわかっている

でも、彼らが救った世界をまた壊したくないから」



「君は、一体…」

「世間では、こう呼ばれているよ

『虚無の堕天使』シュトラール…ってね」

「君が、あの虚無？」

「そうだよ

ねぇ、それは、この際、置いといて

本題は何？」

「俺も詳しくは知らない

八咫に、知識の蛇に(君を)連れてくるように言われただけだ」

「そっか

じゃあ、僕を連れてってくれる？聖剣使いのお兄さん？」

「！？」

何で、俺がジークだったのを知っているんだ！？

「気にしないで

僕も前バージョンのプレイヤーだから」

前バージョンのプレイヤー…

こんな子居ただろうか？

「クーンは、知らないと思うよ

君は、被害者なんだからね

僕は、あの時は、当事者だったから」

7年前の当事者…

7年前の被害者…

当事と被害って言葉だけなのに、その意味あいは、かくも違う物になってしまっている

「早く、知識の蛇に連れっててよ
こっちだって暇じゃないんだよ？」

「あ、ああ。そうだね
歓迎するよ」